7月 11th, 2009

高次脳機能障害について

もうひとつの後遺症、高次脳機能障害についてお話します。

この高次脳機能障害は梅雨時期や台風などの低気圧が来ると
前日くらいからひどい頭痛を引き起こします。

めまい、立ちくらみ、頭をギリギリ締め付けられるような痛みが続きます。
おでこを押さえて、
「痛いよ、痛いよ…!」
と苦しんでいる姿をみると

かわいそうで、忍びなく、でもどうしようもなく
ただ、さすってあげることくらいしか出来ません。

アロマオイルマッサージをしてあげても、すぐに頭痛が襲ってきて
「もうやめて!触らないで」
と悲痛な声をあげるので 、そばにいるのも辛くなって
どうしてあげたらいいんだろうと悩みます。

高次脳機能障害は他にも色々な症状を引き起こします。
転倒により、おでこと後頭部を強打しているので
特に前頭葉に血流障害がみられ、そのことにより様々な問題が起きます。

感情をコントロール出来なくなるのです。

予定通りに物事が進まなかったり、ハプニングが起きると
パニックを起こしたり、言いたいことが言えず、単語が出なくなり
コミュニケーションがうまく出来なくなることがあります。

完璧主義になり、少しでも何かが違うと許せなくなります。
怒りを抑えるのが難しく、感情の浮き沈みがひどくなります。

ストレスを感じると全てのことから逃げたくなってしまい
自分で判断することが出来なくなってしまいます。

全てに投げやりな気持ちになってしまい
目の前が真っ暗になり、気分がふさぎ込んで
何のために生きているのか、わからなくなってしまいます。

他にもたくさん症状があります。

高次脳機能障害者は後天的な事故や脳の病気により
全国に30万人以上いると言われています。

症状は人のよって違ってきますが、
さきほどのような症状はほぼ共通しています。

高次脳機能障害は見た目にはわからないので
周囲に気づかれず、理解されずに、誤解を受けてしまいます。

そのことで本人や家族は苦しい思いをしています。

本人の名誉や尊厳に関わることなので
触れないでおきたいという思いもありましたが
敢えて書こうという思いに突き動かされました。

そういった症状に悩まされながらも
前向きに、明るい笑顔で一生懸命パンを作る姿に胸打たれます。

その笑顔にいつも私の方が励まされています。

後遺症に悩まされて

ここ数日、梅雨の空が続いています。
この時期になると毎年、悩まされるのが事故の後遺症です。

夫のみずきくんは4年前のレースで
ゴール直前の時速70キロ近い状態で転倒し、頭と背中を強く打ちました。

その時に、脊髄と頸椎を損傷し、脳も損傷しました。
そして今も高次脳機能障害と左脚感覚麻痺という障害を抱えています。

左脚にギプスをはめていますが、麻痺の影響で足首が内側に曲がってしまい
杖を使っても足が痛くなるので、ほとんど歩かない生活になっていました。

立っていても、徐々に足が腫れてきて、熱を持ってくるので
家にいるときはソファやベットで休み休みパン・ケーキ作業をしています。

しかし、全く歩かなくなると筋力が落ちてしまい
心臓(スポーツ心臓なので)に負担がかかってよくないと
お医者さんから注意されたので、先月から二人で歩く練習をはじめました。

お医者さんからは特に自転車を奨められました。

みずき君は昨年7月までプロの競輪選手だったので
自転車に対する思いは人一倍あると思います。

事故以来、自転車に触れることはなかったので
恐る恐る自転車に乗ってみました。

そこは、さすが競輪選手。
自転車のペダルを漕ぐことを体は覚えているのです。

そのことが眠っていた希望を蘇らせ
パラリンピックに挑戦してみたいという気持ちが生まれました。

折りたたみ自転車にしか乗れていないので
競技が出来るようになるかは分かりませんが
挑戦してみたいと思える気持ちが素晴らしいと思います。