5月 2nd, 2012

「森の聖者 自然保護の父ジョン・ミーア」

「森の聖者 自然保護の父ジョン・ミーア」加藤則芳 著(山と渓谷社)

加藤さんが歩いた「ジョン・ミーア・トレイル」
その名前の元となった人物ジョン・ミーアの自伝を初めて読みました。

ジョン・ミーアの歩んだ道のりが、現在の
アメリカの自然保護の考え方の元となり、
ヨセミテ国立公園、イエローストーン国立公園、
グランドキャニオン国立公園をはじめとする
世界初の自然保護地区の制定を実現させた
経緯を詳しく知ることができました。

後の政策に大きな影響を与えることになった
ルーズベルト大統領との四日間のキャンプ生活。

そうか、そういうことがあったのだ、と
歴史の裏側を知れて、新鮮でした。

私がアウトドアで愛用している「シェラカップ」が
ジョン・ミーアが設立した自然保護団体「シェラクラブ」
会員向けに考案されたグッズだったことも知り、
これからは、シェラカップを使う度に、
自然保護への考え方に思いを馳せることになると思います。

この本を読み終えて思ったのは、
どの時代にもお金儲けしか頭にない人が
いるんだな、ということでした。

気の遠くなるような歳月をかけて地球に蓄積された
自然資源を取り付くし、短期間で枯渇させてしまう人間。

目先のお金に目がくらみ、自分の周りのことしか
考えられない視野の狭さが、自然、動物、植物に
大きなダメージを与え、結果的に人類の存続の危機を
招くということが、昔から繰り広げられていたのです。

そしてジョン・ミーアのようにそのことを危惧し、
「何とかして豊かな自然をそのままに残したい、
 多くの人に自然に触れてもらい、ありのままの
 美しさを知って欲しい」という純粋な思いが人々の心を動かし
自然保護という考え方を広めていったのだと分かりました。