実は2年前にも
(つづき)
実は、二年前の春にも、龍聖くん(その時、1歳)が
「ママ、赤ちゃんきたー、いるよ、おなかに。げんきー」
と教えてくれました。
つわりが2ヶ月半続いていて、エコーも順調だったのですが、
ある朝、龍聖くんが早朝にむくっと起き上がって、
「あ、赤ちゃんいっちゃった。バイバーイ。とんでいっちゃった」
と天井を見ながら手を振り、さよならしていました。
急いで、産婦人科に行くと、
医師から
「心拍が確認できません。大変残念ですが、このまま流産すると思います。
陣痛がきて、自然に赤ちゃんが出てくるのを待ちましょう。
大量出血する場合があるので、しばらくの間は市内から出ないようにしてください」
と言われました。まだつわりがあったので、望みをつないでいたのですが、
5月末に、眠っていた龍聖くんが夜中2時に突然、起きあがり、
「ママ、でる!赤ちゃんでるよー!」
と言った直後に、お腹にズーンと重い痛みがきて、
大量出血と共に、胎盤と片手大の大きさの
透明なゼリー状の袋に包まれた赤ちゃんの姿が…。
その瞬間に、涙が止まらなくなりました。
そのまま病院にゆき、袋に入った赤ちゃんを医師に渡すと、
「検査にかけますから。もともと三ヶ月の命の赤ちゃんだったんですよ」
と言われ、それが最後となりました。