高次脳機能障害について

もうひとつの後遺症、高次脳機能障害についてお話します。

この高次脳機能障害は梅雨時期や台風などの低気圧が来ると
前日くらいからひどい頭痛を引き起こします。

めまい、立ちくらみ、頭をギリギリ締め付けられるような痛みが続きます。
おでこを押さえて、
「痛いよ、痛いよ…!」
と苦しんでいる姿をみると

かわいそうで、忍びなく、でもどうしようもなく
ただ、さすってあげることくらいしか出来ません。

アロマオイルマッサージをしてあげても、すぐに頭痛が襲ってきて
「もうやめて!触らないで」
と悲痛な声をあげるので 、そばにいるのも辛くなって
どうしてあげたらいいんだろうと悩みます。

高次脳機能障害は他にも色々な症状を引き起こします。
転倒により、おでこと後頭部を強打しているので
特に前頭葉に血流障害がみられ、そのことにより様々な問題が起きます。

感情をコントロール出来なくなるのです。

予定通りに物事が進まなかったり、ハプニングが起きると
パニックを起こしたり、言いたいことが言えず、単語が出なくなり
コミュニケーションがうまく出来なくなることがあります。

完璧主義になり、少しでも何かが違うと許せなくなります。
怒りを抑えるのが難しく、感情の浮き沈みがひどくなります。

ストレスを感じると全てのことから逃げたくなってしまい
自分で判断することが出来なくなってしまいます。

全てに投げやりな気持ちになってしまい
目の前が真っ暗になり、気分がふさぎ込んで
何のために生きているのか、わからなくなってしまいます。

他にもたくさん症状があります。

高次脳機能障害者は後天的な事故や脳の病気により
全国に30万人以上いると言われています。

症状は人のよって違ってきますが、
さきほどのような症状はほぼ共通しています。

高次脳機能障害は見た目にはわからないので
周囲に気づかれず、理解されずに、誤解を受けてしまいます。

そのことで本人や家族は苦しい思いをしています。

本人の名誉や尊厳に関わることなので
触れないでおきたいという思いもありましたが
敢えて書こうという思いに突き動かされました。

そういった症状に悩まされながらも
前向きに、明るい笑顔で一生懸命パンを作る姿に胸打たれます。

その笑顔にいつも私の方が励まされています。

Usami Fusako posted at 2009-7-11 Category: 未分類